●静謐

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連日のように釣り人の姿が見られる川岸はひっそりしていた。

2月17日の夜、釣り仲間とのskypeを利用した情報交換が、いつしかロッドの話になり、過去の釣行の話になりだしたころ、午前1時を回った。 
明けて2月18日の朝はカミさんが開ける寝室の窓から差し込む強烈な日差しで目が覚めた。 釣行を予定していたものの、完全に出遅れだ。
まあ、のんびり行こうと、ゆっくり支度をはじめ車に乗り込む。 これが私のマイペースというやつだから仕方あるまい。 
長良川中流域に向かいながら、目的地をあれこれと考える。
現在のところ、今年一番の実績があるポイントは美濃橋下流。 こんな天気のいい土曜にはすごい人手だろうと考え、今年まだ覗いていない上河和橋に向かうことにする。 このポイントについては「わずかながらライズを見た」という情報もあり、その「わずかながら」に賭けることにした。 到着し岸辺に立つが釣り人の姿は見えない。 この場で放流が行われたことは間違いないので、しばらく待つが、この場所独特の渦を巻く流れが水面に複雑な模様を映し出すのみ。
その周辺を見て回るものの、状況はどこも同じで、ライズは見られないし、その雰囲気も無い。 もっとも、雰囲気を感じ取るほどの感覚も持ち合わせていないというのが本当のところなのだが・・・。
車を下流に走らせ、立花橋の下に向かう。 この場所は、私がはじめてシラメと呼ばれる魚を釣り上げた場所で、いくら今年放流がない場所とはいえ、見過ごすわけには行かない。 何年か前のあの日のように、ポツポツと見られたライズが見る見る間に一面に広がるという経験は消えてなくならないからだ。 しかし、放流がないという事実は無残にも、いつか見た景色というものを消し去った。
美濃橋に到着すると5名ほどのFFMが、手持ち無沙汰に川岸に立っていた。 ベストとウェーダーというFFMにとって臨戦態勢ともいえる姿なのだが、暇そうに佇んでいる。 当然のように川面に波紋は広がらない。 たまにキャスティングをしてみる人もいたが、もとより期待していないのか、漫然とフライを目で追うだけ。
ここでライズがなければ終了という気分で、ライズ待ちの態勢に入ることにする。 車の中は日差しが差し込んで非常に温かいので、音楽を聴きながらしばしを過ごす。
そうこうしているうちに昼になり、川岸のFFM達も川岸を離れだす。 状況を聞くため車を降り話をしてみるが、朝から10分に一度ばかりのライズ、それもキャスティングレンジの先、といった状態らしい。 天気がいいのでティペットの影が映りこみシビアな釣りになることは予想していたが、ライズがほとんど無いとは考えていなかったので、拍子抜けしてしまった。
車に戻って再びのライズ待ちをしていると、窓の外に虫が飛んでいるのが確認できた。 気をつけてみていると30秒に1度くらい見つけられる。 「これは!」と思い川に向かい水面を凝視すると、ベージュ色がかった小さな小さな浮遊物があちこちに見つけられる。 ユスリカのハッチが始まったのだ。 ポッと水面に現れてしばらくすると中空に消えてなくなるように見える。 何度も何度も確認しているうちにあることに気づいた。 これだけハッチが起こっていてもライズが盛んになるわけではないのだ。 特に川岸に人が立つとライズは遠くに、車から見ていると岸よりでもライズが起きるには起きるが、超散発。 
ふと周りを見渡すと、一人のFFMも居ないどころか車すらなくなっている。 
このまま様子を見ていることも考えたが、好天の川原でのんびりしてしまうと、何もかもどうでもいいや・・・と釣りの意欲が消えうせてしまっていた。
買ったばかりのネオプレーンウェーダーに足を通すことなく、臨戦態勢をとることもないまま車を走らせた。
by s_1046 | 2006-02-19 16:52 | 釣行レポート
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