独釣

f0022103_22292777.jpg業務の上で一区切りを付けることが出来た。
なにかと問題の多い内容の仕事だったが、なんとか目鼻が付き形になりそうだ。 まだまだ問題もあるが、あとは努力でなんとかなるだろう。
そんな区切りを祝し、関係者が集まった慰労の意味での食事会は盛り上がり、気が付けば日付も変わってしまっていた。
こんな会は、ともすれば仕事関連の会話がテーブルの上を行き交い、豪華な食事も味気ないものになることもしばしばなのだが、昨夜は仕事の「し」の字も出てこない楽しい会となった。
仕事上の関係者といえど、友人の集まりのようなもので、笑い声が絶えず、心地良い酔いも加わり、日付の変わったことにも気が付かなかったという訳だ。

そして、釣行を予定していた日の陽が昇った。
アラームもセットしていないほど緊張感の抜けた釣行の朝は当然のように、早くに起きられる訳がない。
どうせ今日は単独行なのだから・・・と、自分を甘やかせて、ETCの通勤時間帯割引が効果を失った遅い午前という、のんびりとした出立となった。
3日前の釣行では、納得できない部分も多く、そのウサを晴らすための釣行でもあるのだからもう少し気合いが入っても良さそうなものだが、そうはならないところが私らしいのかも知れない。
目的地は、私の好きな花崗岩質の底石を配し、清冽な水が流れる開峪な渓。
こんな流れは、もろい花崗岩が削り取られることにより発生する砂が、水の流れに乗ると「ヤスリ」のような作用をもたらし、岩にへばりつく昆虫を根こそぎ剥がしたり、それが凄まじい勢いで堆積したりして、水棲昆虫の生息には適さないことも多く、釣りに適する流れではないのかも知れない。
しかし、そこに生きる渓魚は白っぽい底石を反映した体色を纏い、美しい魚であることが多い。
そんなことから、自分がフライフィッシングに求めるものがなんであるのか分かるような気がする。
私は自分を孤独なヒキコモリとは思わないし、どちらかといえばワイワイ騒ぐお祭り好きでもあるが、こんな自然と自分を解放できる時間という環境を独り占めしたいのだから、欲張りであることに間違いはないだろう。




今回は、川が本流と合流する地点から少し上がったところに入渓してみた。
流芯をはずれた緩やかな流れからは、#14のデバイドハックルパターンを喰いきれない小さな魚たちが、フライをつつきに来る。
車を止めた場所を示す目印の大岩までそんな感じが続き、カメラに収める対象とはならない釣果しか得られない。
中流域をスキップし、林道の車止めゲートがある橋のたもとに車を置き、歩いて林道を下ったところから入渓。 こちらではフライを流すというよりも留めておく釣りで、小さなイワナを釣り上げることが出来た。 イワナも濃い体色ではなく、どちらかというとベージュに近いような明るい体色で、なまめかしい。
釣りを始める時間も遅かったので、すでに昼を回っていたが、腰を据えての昼食ということはあまり考えなかった。 こんなところも単独行だから自分のペースで進められるのかも知れない。
魚影がうすいと感じていたので、峠を越えたところにあるダムを目指すことにする。 自宅を出る時に持ってきたパンを囓りながら峠道を上ると、取水と渇水で底があらわになったダム湖が出現した。 
その更に上流部で車を止め、左右からブッシュがせりだした流れの水温を測ると10.5℃。 先ほどまで釣りをしていた下流域の16℃という水温が嘘のようだ。
しかし、そこで釣りを続けるという行為は私にとってストレスの素になりそうな気がしたので、森林浴のみで来た道を引き返すことにした。
その峠道の往復で、気分的にリセットされたような感覚になり、新たな気持ちで釣りを始める。
まだフライを流していない朽ち果てた吊り橋の上下流に入ることにした。 
見える範囲には釣り人の姿はない・・・というか、今回の釣行では釣り人には出会わなかった。 私を見ているのは、川沿いの狭い場所で放牧されている牛のみ。
その牛の前、流れが岩盤にぶつかることで生じた副流からアマゴが姿を現した。

f0022103_12462494.jpg


サイズ的にはそれほどのものではないが、容姿端麗なそのアマゴは、今回の釣行に満足感を与えてくれるに充分なものだった。 美しい流れで釣りをしながら綺麗な魚を求める・・・T(Time) P(Place) O(Occasion) の揃った瞬間を堪能した。
そこには Q(Quantity) というものがないのが、釣れないFFMのこじつけでもあるのだが。
by s_1046 | 2007-06-03 12:43 | 釣行レポート
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