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弗素

毛鉤に塗ると、その毛鉤は沈むことなく浮き続け・・・などという物質が存在するというハナシがまことしやかに流れてきたのはいつのことだろうか。
一年前、いやそれ以前だったか。ここ数ヶ月前からその話が現実味をおび、その物資が「フッ素グリス」であることが判明し、入手ルートも明瞭になった。
フロータントヲタクとしては看過することがとても苦痛であり、使ってみたいという欲求に勝てないことは自明であったので、ポチッとした。

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ポチッの結果とどいた「フッ素グリス」


届いたブツは純白のクリーム状で、指に取りスリスリと延ばしてみると粘り気のないサラサラ感とともに、撥水を感じさせるツルツル感。
既知の「フッ素グリス」に抱いていたイメージとはまったく違い、ベトベトヌルヌルは無い。これが弗素のなせる業なのか。
カミさんに化粧品のクリームとして渡しても普通に使っちゃうんじゃないか、などと思いながら次のステージに思いを馳せる。

次なるステージとは「フッ素グリス」を入れる容器をどうするか・・・だ。
フロータントヲタクとしては、フロータントをいかにスマートに使いこなすか・・・ということも大切な要素なのだ。
別に買ったままの、いわゆる軟膏容器でも構わないのだが、どうもスマートさに欠ける気がしてならない。
やることとしては毛鉤に「フッ素グリス」を薄〜くヌリヌリするだけのことで、どこから取り出してどう塗るか・・・などというザレゴトには拘らず、指でササッと塗ってシュパッと投げるのが真のフライフィッシャーなのかも知れないが、その細かなところが譲れないのがヲタクたる所以。

まず最初に思いついた容器は、現在メインで使っているシリコーンゲルフロータントを詰めている容器。
このシリコーンゲルについても語り出すと終わらないほどの物語があり、在庫も一生涯分くらいあるので、詰め替えというか、充填が必要なのだ。
この容器はエアレスポンプといって、化粧品などゲル状物質に利用される事が多い容器で、ワンプッシュで適量の内容物を取り出せるスグレモノ。
そそくさと軟膏容器から「フッ素グリスを細いスプーンを使ってすくいとり、ディスポの注射器の外筒に移し替える。内筒をセットしエアレスポンプの本体にブチュ〜と注入。これでポンプの蓋をして作業完了・・・の予定だった。


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まずは注射器にルンルン♪




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ウヌヌ、何度ポンピングして出てこぬわ!




仕方ないので、この「フッ素グリス」は釣りの現場で軟膏容器から指で拭って毛鉤にヌリヌリか・・・と諦めのの境地に陥る。

数日後、洗面台の鏡に向かって髭を剃っていると、目の前にある棚に並ぶ化粧品群(笑)
その中に気になる容器を発見っ!! カミさんに「コレハナニ?」と尋ねると、どうやらマツゲ関係のナニヤラらしい。
縦長の円筒形容器で蓋に軸が付いており軸の先端はブラシ。
「コレダ!!」ブラタモリでタモリが何かを発見したときのように、頭の上にエクスクラメーションマークが浮かんだ。 
空になったらチョーダイと予約をしておき、やがて訪れる詰め替え作業を心待ちに、毎日容器の残量を確認するがちっとも減っている気配が無い。
ヲタクなジジイとしては空になるのが待ちきれない。類似の容器がないものかとネットを検索し始めるのも想定内の出来事であり、これがまた楽しい。
探ればあるもので、同様の容器が見つかった。容量1.2mlといささか小ぶりではあるが、とりあえずポチる。送料込みで5本600円。これならボツになっても痛痒は感じず、ポチッたことを大きく後悔することはなさそうだ。
とどいた容器を見て、まず「小さいな・・・」。小さいとフィッシングベストのポケットに入れたとき探しにくいし、失くしてしまう可能性がデカイ。
それとは別に、真っ先に浮かんだのが詰め替えが難儀やなぁ〜ということ。買ってしまったので仕方なく作業を開始する。
まず老眼鏡と耳かきを用意し、エアレスポンプの中身である「フッ素グリス」を掻きだし新しい容器に移す。作業は遅々として進まず「もうヤメちまおう」と何度も思うが、実はコレが楽しかったりする、変態である。
100回以上耳かきをした頃、翌日に迫る実釣テストで使えると思える分量に達する。

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またもや化粧品容器のお世話になる


この新容器はリップグロスという化粧品の詰め替え用で、回転式のキャップに付いた軸の先端がブラシではなくスポンジ状になっていて、毛鉤にヌリヌリするには具合がよろしそう。もちろん問題点もあり、軸のとどかない容器のヘリにくっついた「フッ素グリス」を捕ることが出来ないようにみえる。
まあ、それはハリガネなんかでグリグリしたり、補充の「フッ素グリス」を充填したりして先端のスポンジに「フッ素グリス」がくっつく状態にしておけばなんとかなるだろう。何よりも実際に使い物になるかどうかが大前提だ。使い物にならなければ「フッ素グリス」が容器のヘリにこびりついたままゴミ箱行きといことになるのだから。



ということで、さあ実釣の朝。
今回の釣行もそのほかに様々なミッションを抱え、すべてをスムーズにこなすマネジメント能力が要求される釣行なのだ。
まず、「フッ素グリス」がフロータントとして使い物になるかどうかの可否。ほかにトウモロコシを買う、ブルーベリーを買う、蕎麦つゆを買う、帰り道に和菓子屋によって饅頭を買う、などというオツカイ系のミッション。その間の空き時間に蕎麦を喰うというイブクロ系のミッション。そして付録的なミッションとして魚を釣って新しく手に入れたロッドの入魂をするなどというものもある。
そして最大のミッションとして早く帰って孫を地元の祭りに連れて行くというものも与えられているのだ。正確に言うと孫を祭りに連れて行くと言うのではなく祭りに行って孫の財布と化す・・・といのが正しい。
話が大きく脇に逸れたが、さあ釣りだ。

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渓の状態はまったく問題ない


現地に着くと気温は22-23度。寒さすら感じる高原の朝だ。前回の釣行で「イイオモイ」をした場所に柳の下のドジョウを求めて入渓。
なぁ〜んの反応もないまま実釣テストは続く。水温13℃、クリアな流れ、水量は平水。ただ太陽だけが燦々とこの身を照らし、ジジイの体力を奪う。

問題の毛鉤の浮きに関しては申し分なく、特筆もののフロート持続時間というのはあながち嘘ではない。実際に計測したわけではないが、体感として2倍くらいの時間を浮き続けることが出来る感じ。ほぼフラットな水面でパラシュートフライを使ってポスト&ハックルに塗布しボディーを沈めた状態で何度も試す。
「フッ素グリス」はフロータントとしての耐久力に問題は見られない。ところがジジイの耐久力が追いつかない。アセダクになって岸に上がる。




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木陰を求め小さな沢に移動。


岸に佇み準備に着手するが、今度は日陰が多くて毛鉤のアイにティペットが通すのに一苦労する。それでも何とかセット完了しキャストをはじめる。
渓相はいかにも至るところに魚が潜んでいそうで、ブラインドの釣り上がりが楽しめそうな流れだ。
ここでチョイスした毛鉤はEHK。実は私の中でEHKは見やすいが沈みやすい毛鉤。かなり頻繁なドレッシングを繰り返して浮力を得ないとならない。
そのEHKがなかなか沈まない。何度も水にもまれ水中に没してもけなげに浮かんでくる。かわいい奴よ・・・ふふふ、てな調子になるのだ。
いつもならピックアップしてフロータントをヌリヌリするタイミングになっても、ココロを鬼にS男爵となって「おりゃ、もっと浮いてみろ!」などと叫びながらロッドを振る。変態である。


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「おりゃ、もっと浮いてみろ!」


ここでも「フッ素グリス」の威力を感じ、好感触を得ることが出来たが、付録的なミッションである魚を釣ってロッドに入魂する・・・は達成できずにブルーベリー農園に行く時間になってしまった。まあ、付録的なミッションだからいいのよ、付録、付録。

帰宅後エアレスポンプの内壁にこびりついた「フッ素グリス」を耳かきでなくブラシで掻きだしたものを新容器に補充するというセコイ作業に精を出し、さらに補充し満タンにした容器を携え、次回は魚をランディングネットに収める・・・をファーストミッションに掲げ出直す所存だ。

PS:最後まで変態に付き合ってくれたgaryさんにはとても感謝しています。だけどブルーベリーと和菓子屋はgaryさんのミッションなので・・・(笑)







Commented by gary at 2019-08-07 06:41
お疲れ様でした。
共にミッションを完結できて良かったです。贅沢を言えば魚に嫌われた事と、目当ての蕎麦屋が休みだった事くらいかなぁ😅
しかし今日は早く帰るからチョット早く迎えに行くと言いながら、いつもと時間が変わってないジジイ時間になってしまいました。ゴメン🙇‍♂️
Commented by standy at 2019-08-07 12:55
いや充分早い出発でしたよ。ただ我々の道中は行きから寄り道が多いので仕方ないですね。行くときは買い物より出すばっかりですけど(笑)
蕎麦屋は残念だけど情報が手に入ったと思えばよし。
魚は次回に期待です。
Commented by kimama028 at 2019-08-10 01:09
沈む事無く浮き続け・・・のフレーズに思わずライズしてしまいました。
ペースト状の物が指でスリスリするとサラサラになるという事はCDCにも対応すると言う事でしょか?
最近はどっさりとCDCを使ったフライを多用してるので持続力2倍は魅力的です。
魚を釣った後のレストアはどうなのでしょうか?
フライを乾かし簡単なドレッシングで浮力が維持されると手返しが良くなり助かるのですが・・・
実釣レポ楽しみにしてます。
Commented by s_1046 at 2019-09-10 18:36
私の実釣ではありませんが、釣友のKJT氏からは、CDC向きとのレポートをいただきました。フライのレストアにも何ら問題はありません。水分を拭き取ってもういちどドレッシングしてやればOKです。kimama028さんもお持ちの「岡ピン」を使えば簡単です。Garyさんに少し分けてもらって試してみてはいかがでしょう? KJT氏は私から少し持って行って試した後ポチッたそうです。お返ししてくれるという話はありませんけど(笑)
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by s_1046 | 2019-08-06 19:13 | アイテム&ツール | Comments(4)