戒慎

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Photo by "sawakobo"


予想は予報と完全に一致し、沢好坊さんが私の自宅に来た午前五時半には、細かな雨が路面を濡らしていた。
昨夜は、仕事が押して帰宅が遅く、その後もなにやら気ぜわしく、釣行の準備もままならなかったが、それでも雨に備えて、充電が完了したデジカメを防水ハウジングに入れ、着替えの衣類もパッキングし、タックルボックスの横に置いた。
予定より15分前に姿を現した沢好坊さんに慌てたわけではないが、自宅を出て高速道路に乗る前に、それら一式を積み忘れたことに気づいたが、「なんとかなるだろう」と軽い気持ちで北に向かう。 足元のサンダル履きも、雨の釣行に向かうにはふさわしくない。
いつものルートで、いつものコンビニ、そしていつもの天候。
いつもの渓に到着しても、頭の中には、降り続く雨という状況がインプットされないような感覚で、決して防水効果が高いとは言えない、どちらかといえば防寒用のジャケットを羽織り入渓。
渓の流れは、いつもほどではないにしろ、透明度が高く、雨により増水しているとはいえ、釣りが出来ないほどではない。
しばらく釣り上がると、速い流れに乗ったフライを追いかけきれずに反転する渓魚の反応がある。
そこからは、比較的流れの緩い流芯脇や反転流を中心にフライを流す。
しばらくすると、フライをひったくるような素早い反応が、思わずロッドを跳ね上げさせる。 オーバーアクションながら、どうにかロッドに渓魚の生命感を伝えることができる。
ランディングしてみると、薄黄色の縁取りをまとった綺麗なヒレを持つ木曽のタナビラ。 今年初めてのタナビラは、幼いながら均整が取れた、丸みのない姿態を持つ美少女。
デジカメを持たない釣りは、釣ったあとの儀式もなくあっけないほどだ。 渓魚の姿を網膜に記録しリリースする。 渓魚に対するダメージを考えれば、それもまた良しか・・・。
その後、さらに幼いタナビラを三匹追加すると、取りあえずの目的地である滝に到着した。 平水時ならば、滝を巻いてイワナ狙いと行きたいところだが、通常では見られないほどの滝から落下する水の勢いに圧倒されるように脱渓。
昼食後、降雨時でも水勢の変化が少ないと思われる河川に向かう。
しかし、変化が少ないと行っても未明から降り続く雨には、川も変貌を遂げざるを得ない。
以前、このような状況で何とか釣りになったポイントに入渓し、浅い流れから続く小さな落ち込みにフライを置くと、小さな反応が。 頭上が木に覆われている関係で、軽くあわせを入れたのが幸いしたのか、いいタイミングでフッキングし、モゾモゾと潜り込むような感触を得ることが出来た。 イワナだ。 今年初めてのイワナは、底石の黒い川に住むための衣装をまとったブラックボディー。 それと相反するような、おおきな丸い瞳が幼さを感じさせてくれる。
下流の開けた流れに移動し、アマゴを二匹追加したところで起きたライントラブルを期に、ロッドオフ。
同行の沢好坊さんは、この川は初釣行で、始めて釣り上げた記念のアマゴの写真を取り損ねたとかで、さらに支流に入り込む。
私の方は、いつものこと・・・と、いい加減な準備しかしなかったため、ずぶ濡れになった体を乾かすために、車のエンジンをかけ、暖房を入れて暫しまどろむと、今日一番のアマゴの写真をカメラに収めた彼が戻ってきた。
さあ、替えの下着を手に露天風呂へ行こう。
by s_1046 | 2006-05-14 13:07 | 釣行レポート
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