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銀化

年券を買ったものの、轟音を立てて流れる濁流を為す術なく眺めるだけだった10日前。その時に買った年券というのが長野県にある木曽川漁業協同組合のもの。ご承知のように木曽川は長野県木曽郡木祖村の鉢盛山を水源とし、いくつもの支流を集め、岐阜県、愛知県を経て伊勢湾に流れ込む総延長229kmの河川だ。数多くの宿場町を繋ぐ旧中山道に沿って流れる長野県下の木曽川は、西に霊峰御岳、東に木曽駒ヶ岳を主峰とする中央アルプスに挟まれた谷間を流れる形となっている。
木曽川漁業協同組合ホームページの渓流マップを見ればよく判るが、その管理する範囲は途方もなく広大で、フィッシングのフィールドとなる本支流は数限りないと言っても言い過ぎではないだろう。これだけの支流があると、その環境も様々で、少しの降雨で濁流となる川もあれば、岩盤に大岩を配した渓相でかなりの降雨でも濁りの入らない川もある。支流の水源が西の御嶽と東の中央アルプスとでもかなりの様相の違いを見せる。雨雲の位置によって支流の水量もかなりの違いが見られる事も多い。
今回の釣行では、呆けたように濁流を眺めるだけだった流れに入って、魚を釣り上げる事を目的としたが、その前に中央アルプスを水源とした流れにも足を踏み入れてみた。
銀化_f0022103_21245148.jpg

花崗岩質のその川は、透明度が高く清冽な流れの川で、私が勝手に木曽美人と称しているタナビラ(アマゴ)が釣れる流れだ。今日は水量が多く、わずかに白濁し雪代の影響がかなり出ていて、水温も8℃前後と低めだったため、釣り上がることなくリベンジの川へ向かった。


現地に着くと、濁流を眺めた橋から見る渓は、あっけにとられるほど水位が低く、それはそれで困難な釣りを連想させるくらいだった。入渓ポイントを選ぶため車を走らせていると、軒先でウェーダーを干している地元の釣り人の姿があったので、図々しくも状況を聞いてみた。その結果、今年は冬が寒くまだ活性が上がってきていないとのこと。「例年の解禁直後の様相だから1ヶ月遅れかなぁ」という情報を貰うことが出来た。
ライズも勿論のことながらハッチも見られなかったが、高低差のあまりない緩やかな渓相の川なので、俗に言う大場所という大きな落ち込みや、淵もほとんどないためニンフで底を探るということなしに、ドライフライのみで釣ることにした。
本流との合流点から釣り上がり、ひとつ目の堰堤までは、魚の気配は皆無。フライにアタックする魚もフライの様子を見に来る魚も確認できず。流れに足を踏み入れても走る魚の姿もない。堰堤を巻いて再び釣り上がるも、状況に変化はなく、ふたつ目の堰堤に。そこには魚の匂いが・・・。
水量が少ないため、堰堤からの水が左右に分流された流れの左側に魚の居着きそうなエグレ岩。その岩の向こう側を目標にフライを投げ入れる。フライラインが岩にのりドラグを回避できる状況だ。おそらく狙った位置にフライは落ちているハズ。と考えていると、岩を回り込むようにこちらに向かってフライが顔を出し流れてきた。その確認ができた瞬間、水底から浮き上がる魚の姿。フィーディングのゆったりとしたフォームを見る限り、警戒心は薄く、本物のエサだと信じている様子で、合わせるタイミングさえ誤らなければ・・・と、瞬時に判断しロッドを立てる。
銀化_f0022103_222667.jpg

ネットインの瞬間は、アマゴと言うことは判断できても「なんだか綺麗じゃない」と思った。まるで管理釣り場のゾーキンマス。しかし撮影のためネットの中に横たえると、銀鱗がパーマークを隠している事が判った。まるで脱皮の最終課程のように見える。「これって、疑似スモルト?」などと考えながらリリースしたが、無知であるが故、疑問符は疑問符のままだ。

その後、比較のためにももう一匹と意気込んだが釣果なく、やはり疑問符のまま。
川の中は、まだ春になりきっていないのだと結論づけてとりあえずロッドオフ。
Commented by gary at 2011-04-21 08:24 x
あれれ? 知らない間に単独釣行!
おまけに相棒がいないためか、ピーカンの釣り日和じゃないですか〜。
来週沢好坊くんからお誘いをいただいてますが、はたして天候が・・・?
Commented by standy at 2011-04-21 15:54 x
はい、来週誘われましたが所用のため行けそうにないので、今週行っておこうと、突然の思い立ちです。天気の方は、予報ではあまり芳しくなかったので心配してましたが、杞憂でした(笑)。来週は多分いい天気ですよ〜。
Commented by amago_fish at 2011-04-21 19:36 x
またまた釣りしてる・・・・。
今年はまだ2回しか釣行してません。
そろそろエンジンかけますよ~~~。
Commented by s_1046 at 2011-04-21 21:17
amago_fishさん、やっぱ春はもう少し先って感じだからね、そう急いでエンジンかけなくてもいいですよ。ももげんきょうはまだ雪の中でっせ!
Commented by sawakobo at 2011-04-23 00:10
携帯にメールをいただきましたが、なぜか画像が開かず、確認できなかったのがこれだったんですね。
いや~、結果残してよいですな~。

早く休みを決めてgaryサンに連絡せねば…
Commented by s_1046 at 2011-04-24 14:28
Mr.Sawakobo 送った画像は先々週の濁流と同じ場所(橋の上)からのものです。garyさんも仰っているように来週行くんですよね。頑張って!
Commented by lefty_haru at 2011-04-26 03:53 x
中央アルプスを源にする流れは、どれも花崗岩の綺麗な川ですね。
御岳方面は黒で統一された感じで、陽と陰の2つの違う川を楽しめます。

遥か昔、40岩魚が良く出るという地元の噂を頼りに、
中央アルプス側から出てる1本の川に通い詰めた事があります。
結果、「そんな上手い話は無い~」。魚達はとっても綺麗でしたけど。
Commented by standy at 2011-04-27 08:09 x
haruさん、個人的には花崗岩質の川、好きです。ただ、砂礫が多かったり岩肌が平滑だったりして川を歩くのがコワイ部分があります。しかし間違いなく魚は綺麗ですね、釣れないけど・・・orz
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by s_1046 | 2011-04-20 22:13 | 釣行レポート | Comments(8)