釣行レポート

微塵

夕刻から雨という予報の出ている南信州の渓流に出かけた。
今回は、昨年の禁漁間際に私がイイオモイをした渓流に友人のgaryさんを案内するのもひとつの目的。
garyさんと言っても純国産のFFMで「右のポッケに"ストッパ"」が必要なことから付けられたHNだ。
garyさんが、釣行用に購入した新型「SUZUKI エスクード」で、我が家に現れたのが午前5時。
小牧東ICから中央高速に乗り一路北上する。 garyさんと私は同じ年で、家庭のこと、衰えの見えつつある身体のこと、共通の友人のこと、そしてもちろんフライフィッシングのことなどで、車中の会話は尽きない。
弱った下半身(変な意味ではなく・・・ね)対策としてのサポートタイツは何処のメーカーのものがよいかとか、ローガン鏡の使い方のノウハウとか、お互いの眼前に立ちはだかる切り立った壁を如何に登頂するか(いわゆるカミさん対策ってやつ)などという話題から、子供の教育や老後のことなどの、この世代特有の話題などを話し込んでいるうちに、当面の目的地とした駐車場に到着した。
そこには、前日から「フライフィッシング放浪の旅」にでている沢好坊さんが先着しており、予定通り合流。
f0022103_1151524.jpg

彼の職種には、一週間の職務停止を課せられるコンプライアンス休暇制度というウラヤマシイ休暇がある。
毎年、念入りな根回しによりその休暇を9月に取得し、放浪の釣り旅に出かけるのが禁漁間際の彼の恒例となっている訳で、そのうちの一日にgaryさんと私とが合流し、三人で釣りを楽しもうという計画なのだ。
とりあえずは、二台の車で目的の渓流の駐車ポイントまで移動することに。
急勾配の坂道や連続するUターンの峠道路を走り、目的の渓流沿い林道の入り口付近にある駐車ポイントに車を止め、沢好坊さんの車に荷物を移動し林道を登っていく。
さすがに、釣行用のクロカンとはいえ、新車で登って行くには申し訳ない林道なので、garyさんの車は留め置きしておく。
いつもの一般車両通行止めの位置まで車を進め右手眼下に見える川を覗くと、そこには砂で埋まった巨大な堰堤があり、そこが入渓点となる。
高所恐怖症の人だと、堰堤の上から川まで下りる鉄梯子を伝いアプローチするのが怖いかも知れない。
堰堤の上流部は、堆積した砂により砂州が広がり、その中を幾筋もの瀬が流れる。
実は、この場所こそがそれより上流の釣果を占う大切な場所。 瀬に住むのは小さなアマゴなのだが、このチビッコアマゴが積極的にフライに出てきてくれる時には、上流部での釣果は約束されたようなもの。
ところが、この約束のモトが出てこない・・・。
いやな予感が私を支配する。 多分、沢好坊さんも感じていただろうが、それを口にした瞬間に約束が確約となることがわかっているのか、二人とも黙って釣りを続ける。
f0022103_1130243.jpg中間地点の小さな滝まで、何度か魚の反応はあるのだが、ものにすることが出来ず、滝壺の開きでフライをながすgaryさんを撮影する。 garyさんは、沢好坊さん同様、小さな落ち込みにも丹念にフライを浮かべる典型的な釣り上がりのスタイルだ。
そのような小さなポイントにフライを投射し、置いておくという事が出来ない私は、簡単に彼らのいう「ポイント」に立ち込み、冷たい目で見られること数度。
実際、私の目にはその向こうの「水が流れる大きなプール」しか見えないのだからしょうがない。
段々の落ち込みが続く流れを彼らが釣っている場所では、私はフックキーパーにフライをセットし「上に行くね」と声を掛け、少しばかり向こうに見えるプールに向かう。 何度かその流れにフライを流していると、彼らが追いつき、私の立つ石の真下にある、畳半畳ほどの水たまりをロッドで指し示し「そこやった?」と聞いてくる。それが、実に嬉しそうに聞いてくるのだ。私がそこを「ポイント」ととして認識していないのを分かっているくせに。
小さな滝を巻き、後半戦が始まるころから、空からはお決まりのものが落ちてきた。 沢好坊さんと私が揃うと「雨」というジンクスは、またしても守られた。
昨年、尺物のイワナを釣り上げた場所すら無反応で通過し、いくぶん渓相が変わってしまった大滝までの区間でも、釣果を得られず脱渓ポイントに着いてしまった。
ところが、以前は比較的はっきりしていた脱渓ポイントが発見できず、わずかな踏み跡らしき痕跡の残るクマザサの急斜面と格闘すること数刻。林道に出る頃には、雨と汗とでびっしょりになってしまった。
約束が確約になったことを実感しながら、林道を下り車に着く頃には、雨は本降りに近いものになってきたので、林道入り口まで戻り、野営場にある調理場の軒下を借りて、昼食&珈琲タイム。
午後からは、土砂崩れによる砂流や岩石の残る林道を下り、下流部に場所を変更し釣りを続ける。
しかし、急激な降雨のせいか、渡河が困難となるほどの水量の増加が釣りを難しくさせる。
そんな中、最下流で釣っていたgaryさんが、アマゴをゲット。いや、たいしたもの・・・それとも、残りの二人がだらしないのか。
つり上がって行っても林道への脱渓が困難な場所で、川通しで戻ることを考えると、進むことが無理と判断できるほどの増水傾向となったため、少し上流部の里川っぽい流れに入渓。
勿論そんな場所に興味があるのは私だけで、garyさんは、昼寝。沢好坊さんは徒歩で上流部の堰堤に向かう。
f0022103_19421329.jpg
私の入った流れからは、活発に魚のアタックがあるが、どう見ても魚のサイズが小さい、いや、小さすぎる。こんなのが釣れたら面倒くさいだけだな・・・などと思いながら釣っていると、案の定#16のアダムスパラシュートに本日初めての魚がくっついている。
#16フックが大きく見えるそのアマゴは、リールサイズ。
しかし、念のためということで撮影しておいて良かったぁ〜、となるのだから皮肉なものだ。
上流部で釣っていた沢好坊さんも釣果を上げたとのことだが、撮影直前に逃げられたと、よく聞く言い訳を聞かされた(笑)。
昼寝から覚醒したgaryさんが、釣りの準備を始めだしたので、再び場所を移動して釣りを始める。今度は沢好坊さんが休憩モード突入。私も、痛めている膝が音を上げだしてきたが、まともな魚を見ていないので、入渓する。
雨天と言うこともあり、空は暗い。入渓した地点は木々が覆い被さる渓相で、さらに暗さを増す状態になり、ローガンの二人には厳しいシチュエーションだ。
足が痛いので、思うように釣り上がれず、彼らの言う「ポイント」を狙い、丹念にフライを落としていくことにしたが、所詮は付け焼き刃、叶うはずもない。
オマケに覆い被さる木々のせいで、ライントラブルが続出だ。 イライラしてきたのでもうやめようと思い上流部を見るとgaryさんが呼んでいる。膝をがくがくさせながら、たどりつくと彼が私好みの渓相にロッドの先端を向けている。
薄暗い中で、ティペットを継ぎ足し、その頃になって中空を飛び交いだした虫に似せた#14ブラックボディのパラシュートパターンを結ぶ。
何度かのキャストを繰り返すうち、流れの中ほどで飛沫が上がった。
完璧なフッキング後、ランディング。 ネットに横たわるのは23-4cmのイワナだ。
フックを外し、しばし魚を愛でたあと、ネットに横たわった魚を撮影。
しようとした瞬間、イワナは宙を飛び、縦1回転横1回半ひねりで水中に・・・。
スプラッシュの少ない見事な着水に拍手喝采、てなワケなく、だらしなく流れの中で正座する私。
しかし、その一部始終を見、撮影していたくれたgaryさんがいる。
川からあがり、場所を譲ってくれたgaryさんに感謝する。ところがgaryさん、その時には暗くて私の流したフライも見えず、私がラインを手繰っているのを見て、魚を釣ったんだな・・・と理解したとか(涙)。肝心の写真のほうも「ゴメン、真っ暗だ・・・」(再涙)。

意欲満々で、案内役を買って出かけた釣行であったが、その意欲も微塵と散り、残ったのは微塵サイズの魚の写真だけ・・・・。
しかし、帰途立ち寄った温泉で汗を流し、雨の高速道路を走る頃には満足感すら覚えることが出来た。
Thaks garyさん、沢好坊さん。

追伸:痛み止めの注射&リハビリ開始しました・・・バカです。
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Commented by ライズ at 2006-09-08 21:43 x
こんばんわ!お久し振りの更新ですね。(余程、足の状態が悪いのかと心配していました)私もここ2ヶ月程、左足の痛みが取れません。普段はそれ程でもないのですが、河原を歩くと猛烈に痛みが走ります。ですが不思議ですね~魚を掛けて下流に向かう時は痛みを感じないのですから~今度、病院に行ってきます。
それにしてもリールサイズのアマゴは可愛いですね。リールはC.F.Oでしょうか?お大事に!
Commented by s_1046 at 2006-09-08 22:07
ライズさん、コメントありがとうございます。
ここのところの釣行は、翌日に膝に注射を覚悟して出かけています(笑)
完全に治せばいいのにと自分自身でもバカだなぁと思ってしまいます。
リールはお見立て通りC.F.O123です。だから、魚も12.3cm?
C.F.O3だったら30cm? そんなことないですよね。
Commented by gary at 2006-09-09 21:43 x
1046さん、こんばんわ。先日はありがとうございました。
膝の具合、あまり芳しくないようで、責任感じちゃいます。わがまま言ってすみませんでした。
でもホントたのしく釣りができました。懲りていなかったらまた行きましょう!(笑)
Commented by s_1046 at 2006-09-09 22:20
garyさん、こんばんは。
全然懲りておりません。 その証拠のためのリハビリでございます。
でもねぇ〜、予定が入っていて平日しか釣行できそうにないのですよ。
なんなら、平日休みます?
Commented by sawakobo at 2006-09-10 22:22
standyサン、garyサン、ありがとうございました。
結局、ここであげたイワナが最長寸タイでした。
体側にオレンジの斑点を纏ったぽってりとしたイワナ、記録には残せませでんでしたが、僕に記憶に残る1匹でした。
来期、尺上に成長したコヤツを捕獲して記録に残してやることにしますんで、またお供ください。
Commented by standy at 2006-09-11 11:05 x
こちらこそありがとうございました。 しかし、三人がそろいも揃って、釣り上げた魚を撮影直前に逃がすと言う失敗をしたというのは笑えます。釣行当日は笑って済ませられますが、釣行記を書く段になって、猛烈に悔やむんですよねぇ~。
Commented by lefty_haru at 2006-09-13 13:40 x
昨年の栄光が忘れられなくて、またもあそこに行ったんですね。
私もあの川は過去に何回か行きましたが、砂の多い川は、ムラッ気が
ありすぎで、良い時は少なかったように覚えてます。

しかし、膝の悪化も省みず結構きつい所に行くなんて、
standyさんて、私と同じB型ですか?
Commented by s_1046 at 2006-09-13 15:19
えっ! haruさん、ジコチュ〜&マイペ〜スのB型ですかぁ。
まいったなぁ。 そんな人間は「沢好坊クン」だけで充分だと思っていたのですが・・・。
私は、過去の栄光が忘れられないウジウジしたA型でございます。
Commented by lefty_haru at 2006-09-13 19:28 x
ええ~っ、そうでおま。ジコチュ~&マイペ~スのB型です。
沢好坊君もB型だったんですね。てっきりO型だと思ってました。
う~ん、standyさんがA型とは思いませんですた。
Commented by standy at 2006-09-14 06:26 x
そうですね、仲の良い友人からは
「良くてO型、悪くてB型」と言われます。
haruさんと沢好坊クンは「悪くて」のほうですね(笑)。
わたしゃ、haruさんは「繊細なA型かなぁ〜」と思っていたんですがね。
by s_1046 | 2006-09-08 20:28 | 釣行レポート | Comments(10)

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