釣行レポート

残像

目の前に広がる雲ひとつない青い空。視線を落とせば美しく、まっすぐに延びる緑の絨毯。静寂の中、緊張感に包まれスイングを始動する。バックスイングからインパクト、フォロースルー、フィニッシュと淀みない一連の動きから発射されたボールは、青い空を真っ二つに分ける白線を描き、遙か遠くの芝生の上を転がっていく。
「キョウイチ」というやつだ。「マグレアタリ」と言えなくもない。ゴルフを経験した人ならだれしも味わったあの快感。網膜にくっきりと焼き付いたボールの軌跡とその残像。
ところが勘違いしてはいけないのだ。網膜に焼き付いたその画は、決して実力ではない。いつもそんな当たりが出ると勘違いしてはいけないのだ。しかしゴルファーは何度も過ちを繰り返す。

今回は、以前「イイオモイ」をした渓流に出かけた。
入渓点から連続した落ち込みが少しだけつづいたあと開けた場所に出る。そこは二本の流れが合流し、護岸にぶつかるところで深い淵を作っている。いかにも「居そうな」場所だ。リーダー、ティペット、フライの結紮を確認した後の第一投。レーンに沿って流れるフライに向かって凄い勢いで底からのアタック。なんと二匹同時だ。
ランディングしたイワナは尺に少し欠けるものの堂々とした体躯でグッドコンディションだ。
そんな網膜に焼き付いた残像は何年かが経た現在もハッキリと再生できる。しかし勘違いしてはいけないのだ。いつもそこにイワナがひしめき、流れるフライに飛びかかってくる訳ではないのだ。

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雪庇の残る入渓点で沢好坊さんと


入渓して件のポイントまではすぐ。今回はこの場所初釣行のgaryさんにイワナの同時アタックを味わってもらおうとチャレンジして貰ったが、水面になんの変化もない。実は私の網膜に残像を残した、その翌年もこの場所で釣りをしているのだ。もちろん網膜に残像を残すようなシーンには出会うことなく終わった。しかしそんなことはすっかり忘れている。御都合性健忘症というやつだ。garyさんに続き私もトライし無反応で終わった結果、やっと「そういえば釣れないときもあったなナ・・・」と思い出す嘆かわしさ、釣れないときの方が多いのだ。

その後も、以前はここでイワナがライズしてたな・・・とか、あのポイントでブラックパラシュートにきた、などと都合の良い残像を思い出すばかりで、現実的にはいっこうに魚の反応が得られない。
そうこうしているウチにgaryさんがいい型のイワナを釣る。これは残像ではなく現実なので結構アセル。
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garyさんランディング。そんなに大きくないといいながら下を向いて笑っているに違いない。

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うつむいてニヤつくのもうなずけるな、garyさんの獲物。


それまでにも沢好坊さんが我々の目の前でバラシたりして、私以外のおふたりはそれなりに楽しそうだけど、私のロッドには生き物の反応はまったくないまま脱渓点に来てしまった。ヒルメシ後は場所を替えて再スタートのお膳立ては整ったかのように見えたものの、状況になんの変化もナシ。それどころか今度は私の目と鼻の先の偏光グラスのむこうで、沢好坊さんが「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」とやってくれた。うるせぇっての。
オトナなのでそんなことは言わない。だけどすでに心は折れてる。もう帰ろうよ・・・ケナゲにもそんなことも言わない。オトナだから・・・。だけどオヤジだからギャグは連発しちゃう。

私以外のふたりは、私に釣らせようと私を先行させ、後ろでなんやらベチャクチャ喋っている。ここは井戸端じゃねぇぞ!川の中だぞ!釣りをしろよ!・・・とも言わない、オトナだから。でも心の中で言っている、ちいせぇ〜オトコなので。(私がカミさんに小言を言うと「ちいせぇ〜オトコ」と口癖のように返されます。実際は181cm、80kgと大きいんですが)

兎にも角にも、最後まで魚の姿どころか反応すら得られず。得たものはgaryさんの獲物と、沢好坊さんの「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」の鮮鋭な残像。もうあそこには行かない。ちいせぇ〜オトコだから。

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放心状態で流れを見つめる。完全に肩が落ちてる。






書くまいと思ったブログですが、記録として書きました。案の定、後半は支離滅裂でいつもの文体とは大幅に異なりました。実はこちらの方が「素」だったりしますが。
同行のgaryさん、沢好坊さんにはご迷惑をおかけし、お心遣いいただきました。もう行かないというのも本心ではございませんので、今後ともお付き合い下さいます様、よろしくお願い申し上げます。
でも、今度は釣れない人の後ろで井戸端会議をしたいというのが本心でございます。
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Commented by sawakobo at 2012-06-07 23:40
standyサン、おもしろすぎです。
貴殿の文才には脱毛、じゃなくって脱帽です。
中学生の作文のような文章しか書けない私からしたら、
決してちいせぇ~オトコなんかではなく、ちせぇ(知性)のオトコです、ハイ。

サカナは次回を期待、ということで…
またよろしくお願いします。
Commented by amago_meister at 2012-06-08 01:03
ハックル新調した方が良さそうですね~。
福井まで来てください。
25センチ以上でツ抜け案内しますから~。
登りで2時間あるいて堰堤10個以上は巻くけど…。
Commented by gary at 2012-06-08 18:18 x
哀愁漂う後ろ姿は拝見しましたが・・でも大丈夫。
おやじギャグを連発する元気があれば、次回はきっと!

amago_meisterさんに、オロロの中で釣るコツを教えて貰ってlet's Go!
Commented by sstandy at 2012-06-12 09:31 x
sawakoboさん、ここでつまらんギャグ言ってないで釣りの最中に大むこうを唸らせる一発をお願いしますよ。みんなの疲れが吹き飛ぶようなやつをね。はぁ~っと疲れるようなやつはダメよ。
Commented by sstandy at 2012-06-12 09:35 x
amago_meisterさん、そこはヘリでいけないの?小松あたりからひょいと行けるでしょ。
Commented by standy at 2012-06-12 09:41 x
garyさん、あまりに高度すぎて気づいてもらえなかったギャグが三つばかりあります。もう少し次元を落とさないとあかんな…と反省しています。あの落ちた肩はギャグが理解してもらえなかった悲しみからです(笑)。

オロロ対策は教えてくれんよ、ケチだから(笑)
おおかた、白い服をきてハッカオイルを塗ってタバコを吸うくらいのもんですよ…と書くと、反発して教えてくれるかも(笑)
それが、発火オイルだったらどうしよう((爆))
by s_1046 | 2012-06-07 19:26 | 釣行レポート | Comments(6)

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by s_1046
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