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転々
高山市に国八食堂という店がある。
ホルモン焼きと、とうふステーキが売り物のその店は、そちらの方面へ釣行に出かける時、夕食をとるために立ち寄るのが楽しみな店だ。

話は、前回の釣行にさかのぼる。
その釣行のテーマは、尺イワナと国八。
国八食堂に立ち寄るための時間に併せ納竿した我々は、期待を胸に店に近づくと、駐車場には「定休日」の看板。
そのような場面をまったく想像していなかったため、逆上気味にそれ以後の時を過ごしたが、最終的な話し合いの中で、あの脂ぎったテーブルに再度向かおうではないか、という結末に落ち着いたことは、ごく自然な成り行きだ。

そして、帰途の車中で、実行のXデーを10日後に決定した。
そのXデーの前日、その固い約束が崩れ去る一通のメールが携帯を鳴らした。
沢好坊さんのドタキャンだ。
やむを得ぬ事情で致し方ないため、その対応にもう一人のXデー参加者であるgaryさんと連絡を取りあう。
結果、目的地を変更し木曽川水系に向かうことになった。

そしてXデー当日、約束の午前5時まであとわずかとなり、ピックアップしてもらうため家を出ようとしたその時、garyさんから携帯に連絡が入る。
「ウェーディングシューズ忘れた! 取りに戻る」と。

もう準備万端、出発モードに突入していた心身は後戻りを許さない。
「目的地を変えませんか?」
尾張東部を出発の起点に木曽川水系に向かう予定を、尾張西部を起点に長良川水系に目的地を変更しての釣行が始まった。

そして、これがその日一日続く「転々」の序章となった。

garyさんとの待ち合わせ場所である、某ショッピングセンターの駐車場は、ゲートに鎖が張り巡らされ、入場は不可能な状態。
どうしようかと周りを見ると、隣接の信用金庫の駐車場に見たことのある車が止まっている。
とりあえず、挨拶を交わしてから、車を一日放置できる場所を探すことにした。
「すぐそこのパチンコ屋の駐車場は?」との提案にそこへ向かうと何台かの車が止まっており、何人かの若者がいた。 そこで荷物を載せ替えていると、若者のひとりが「どうかしましたか? ココ、ウチの駐車場なんですけど・・・」物腰は柔らかいものの、キッパリとした駐車拒否の雰囲気が漂う。
garyさんの「そこの役場なら良いと思う」の提案に、役場に向かえばこちらも鎖。
転々とした、その結末はタワーのある某国営公園の駐車場に車を放り込むこととなり、高速道路の人となることが出来た。

白鳥ICで高速道路から離れ、山中へ分け入る。
garyさんのホームグラウンドとも言える川に向かい釣りを始める。
護岸され堰堤が続く下流部から、いきなり源流部の様相を示す二通りの渓相を楽しめるその川は、一月ほど前にgaryさんが高釣果を収めたという結果を物語って・・・くれない。
時々、ほんの時々、魚たちは存在感を示してくれるものの、流れるフライをガッチリと咥えるまでには至らない。
苔むした岩が連続した上流部でも、ここぞと言うポイントですら反応は薄く、脱渓。

一気に北上することに決め、車を移動させる。
道の駅で、ひとまずウェーダーを脱ぎ、「ウェーダーお断り」の蕎麦屋で昼食。
年を取ってくると、地面に座ってカップラーメンをすする昼食より、こういった地の物をそれなりの店で食べる方が有り難くなってくる。
リセットを終え、日本海に注ぐ大河川の源流部に入渓し、釣りを始める。
さすが源流部ということもあり、私の知る川の中でも、最も透明度の高い流れのひとつにあげられるこのエリアは、私がフライフィッシングを始めて最初に訪れた源流と言える場所。
その頃とは、ずいぶん様相も変わり、アクセスに関しては里川なみになってしまったが、流れは相変わらず美しい。
こういった美しい流れの中に棲む魚たちも、おのずと美しく育つような気がするのは、気のせいだろうか。



釣りの方は、決していい状況というわけでもなかったが、小さなイワナやアマゴと遊ぶことができて、何とか格好がついた。

さて、いろいろと転々とした今回の釣行。
釣りを終えてみると、少しだけ足を延ばせば、国八食堂にたどり着ける場所にいるではないか。
向かわぬ手はないと、高速道路を利用してひとっ飛び。
ところが道案内の私は、今来た道を辿って帰ることが出来ないほどの男。
今月だけでも三度目の高山来訪になるくせに、なんと高速道路で指示をミスる。
決して白川郷を見たかったわけでもないのに、車は白川郷ICでUターン、ビッグスケールの転々である。
680円のホルモン定食を食うために、かなりの時間と費用を浪費してしまう。
道中は、運転を務めてくれる眠そうなgaryさんに、何かしら語りかけねばと、頭と口をフル回転させ、汚名挽回に務める。
幸い、garyさんとは同じ年齢で、共通の話題も多く、話が途切れることなしに、なんとか帰宮。
挨拶を交わし、分かれてからの自宅への帰路は、フル回転させた頭と口の影響からか、ほぼ放心状態で、どこをどう帰ったのか記憶が薄い。
これがアルツハイマーの初期兆候でないことを切に願う。

※garyさんには、ホントご迷惑おかけしました。この場を借りて感謝の意を表したいと思います。
 どうもありがとうございました。



by s_1046 | 2009-05-31 12:09 | 釣行レポート | Comments(5)
Commented by gary at 2009-06-01 08:38 x
ドモドモですstandyさん。
今回のドタバタ釣行、これはこれで大変楽しかったです。
まさか合掌の里まで行くとは思ってもみませんでしたが(笑)
またこれに懲りずぜひともお誘いくださいまし 。
Commented by standy at 2009-06-01 14:14 x
garyさん、どうもありがとうございました。
まさか、ですよねぇ。
全てワタクシの不用意ゆえ、合掌してお詫びをば(笑)。
また行きましょうね。
Commented by sawakobo at 2009-06-03 22:48
私のドタキャンのせいで、転々・・・
over fifty ふたりの釣行にさせた責任は少なからず感じていますが、
イワナちゃんの画像以降の記事には、思わず笑ってしまいました。

苦労の末、口にした国八食堂のホルモン定食、さぞかし美味かったことでしょう。

次回は、介護人としてふたりのお世話をさせていただきます。



Commented by standy at 2009-06-04 10:14 x
そのと〜り、ドタキャンさえなければ何も起きず、尺イワナの写真がこの場を飾ったことと思います。

garyさん、読んでますかねぇ〜。
次回は大名釣行が出来そうですな、沢好坊クンの責任のとり方を見せてもらいましょうね。
Commented by アンドロイドライブチャット at 2011-04-24 15:45 x
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