![]() まだ道路も鉄道も整備されていなかった遠い昔、入植した開拓民たちが、その自然の厳しさに音を上げ、廃村となった深山にある高原。 近年になって、交通網が出来上がってからも、人が住むことはなく、国道沿いにある小さな部落を最後に人家の気配はなく、さらに峠を経ないとその高原には達することはできない。 その高原の中央を悠然と流れる川は、当然のように流れに生きる生物たちのパラダイスとして存在していたが、取水ダム建設などの開発によって、以前のように精気に充ち満ちた流れではなくなったと聞いていた。 しかし、ダム建設後のそれほど遠くない昔でも、踝(くるぶし)ほどの水深が続く瀬を、尺を優に超すイワナたちが、その巨大な背鰭を水面から突き出し、泳ぎ回っていたという。 今回は、そんな山深い高原を縫う流れに身を置いてきた。 実はこの場所には昨年も来たことがある。 その時にはすでに、それほど遠くない昔の話も過去の逸話に成り果て、ごく普通にある山中の流れに変貌していたのだが、それでもその数ヶ月前に高釣果をあげた友人の話に寄り縋り、結果、落胆の釣りとなった経緯がある。 今回も、穴場と言われるには相応しくない車の数に、昨年の再現を覚悟した。 午前6時過ぎの深山の高原は、まだ日照もなく、肌寒い。 水温を測ると、7℃とドライフライの釣りをするには微妙な温度で、日照が水面を照りつけ水中が活発になるまでは、のんびりと釣り上がることにした。 昨年、入渓後いきなり2匹のイワナにアタックを受けた深みもゆっくりとフライが流れるだけで、何の変化も起こらない。 ゆっくりと流れるフライを凝視しつつ、川をあがって行くと、雰囲気のある場所に出くわした。 そこで、先週この場所に来た友人達の「ストマックからはアント」という情報を思い出し、アダムスからロイヤルコーチマンにフライチェンジ。 念入りにフロータントを施し、流芯をトレースするとゆっくりとしたタイミングでフライを持ち去る魚に出会えた。 少し遅らせたタイミングが功を奏し、がっちりとフッキングしたようだ。 最初思ったよりもずっしりとした感触が、竹竿を伝わり手元に届く。 ランディングしネットインしたイワナは、尺にはわずかに足らないものの、がっちりとした体躯の太いボディーで、満足できるサイズの一匹。 9時半頃になると水温も10℃くらいになり、水面からは微小サイズの虫たちが黒点を作り出すと同時に、水面には同心円が現れ、釣り人の心を浮き立たせる。 ところが、#14程度のフライを咥えることもままならない魚たちの作り出す同心円らしく、釣り上げることが出来ない。 遊び半分で、ティペットに結ばれた#14エルクヘアのフックのベンドに7Xティペットを継ぎ足し、トレーラーシステムにして、赤のコパーワイヤーを巻いただけのニンフを流すと、エルクヘアがスッと沈み込み軽くフッキングすると水中で煌めく銀色の小片が確認できた。 ゆっくりゆっくりラインをたぐり寄せると、手のひらに満たないイワナが付いている。 比較的大物が棲みそうな場所ではあるが、大物は警戒して出てこないのか、それともすでに誰かのエサの付いたフックにかかってしまったのか、そんなことを考えてしまった。 しばらく反応の薄い時を過ごし、かなり釣り上がった頃、魚の雰囲気の強い場所にさしかかった。 ラインシステムをチェックし、フライを新しいものに替えることで、リセットの雰囲気を作り出す。 出来るだけ丁寧にラインを流すと、ハイフロートな新しいフライが引き込まれるように水中に消えた。 典型的な捕食動作ではないような気がしたが、ロッドをたてると明らかな生命の反応が伝わってきた。 ![]() かなり力強いやりとりの後ネットに横たわったのは、少しばかりイカツイ顔をしながらも、幼さも残るようなイワナ。 先ほど釣り上げたイワナより少しばかり小さいが、こちらもやはりまるまると太い体型で、川の生命力の豊富さを裏付けるようだ。 その後も小振りながら、美しく均整のとれたイワナたちと遊び、午前を過ごす。 午後からは、少し上流部を探るが、午前中に出会った魚たちから見るとやや幼く、これから盛夏を迎える頃にはロッドを思い切りしならせてくれる魚に成長することを願い、写真撮影のダメージを与えることなくリリース。 しばらく釣り上がったところで、倒木に守られたように見えるポイントに差し掛かる。 慎重にキャストをするが、思った通りにフライが飛翔し見事なまでに倒木にかかる。 フライは可能な限り回収するように努めているので、回収のため川の中に足を踏み入れたところ、こちらも見事なまでに「沈」。 久しぶりにウエーダーの中の下着まで濡れるような転びかたをし、結構なショックを受ける。 岸に上がって流れを見れば、なんと言うこともない流れで、せいぜい股関節くらいまでの水深で、水勢だってそれほどじゃない。 深夜からの活動に疲れたか、午前中の釣果に満足して気が緩んだため かと考えたが、カラダが一番正直で、下半身が疲労で粘りがなくなっているという一番受け入れたくない事実に、テンションが急降下してしまう。 とりあえず、誤動作をする無線機の電池を抜きベストの濡れていないポケットにしまい込み、衣類を絞り水分を排除して休憩とし、再び釣りを始めるが、濡れたパンツがいささか気持ち悪い。 その後、わずかに釣果をのばすが、テンションを上昇させる術がみつからず、釣りを続ける同行者を川に追いやり、車で睡眠をとることにした。 わずかな時間の睡眠で、かなりリフレッシュできたが、再び濡れたベストをまとう気になれずロッドオフ。 昨年に続き、穴場と言われながら人の多いこの場への釣行だったが、イワナの体躯の見事さには驚いた。 お~、久し振りに良いの釣ってますね。 このクラスだと、竹竿が綺麗にしなってくれて楽しくてしょうがないよ~。 昨年はあまり竿を出す機会が無かったみたいですが、 今年は私よりうんと釣りに行ってますね。 Standyさん、今年は絶好調ですね。羨ましい限りです。 わたしは、公私共々バタバタしてなかなか釣り処ではありません。 フライボックスは、例年になく充実しているんですが・・・ haruさん、こんばんは。 久し振りは余分だよぉ〜(笑)。 でも、マジ楽しいですね。 この竿でのやりとりは。 じっくり時間をかけて楽しませてもらいました。 バラシ、あわせ切れはゼロでした。 これも竹竿なるが故でしょうか。 garyさん、絶好調でもないんですよ。 今までは、チビスケとばかり遊んでましたからね。 これだけPhotoGenicな魚は久し振りです。 あっ、久し振りは余分だった(笑)。 こんにちは! 御無沙汰しております。 2枚の画像共に私には尺に見えますが・・・ ネットの内径が小さいのかな? 失礼な言い方ですが、文才が有りますね!小説を読んでいる気分でした。お見事です。 ライズさん、ケツの穴がコソバユイです(笑)。 写真の魚が尺に見えるとしたなら・・・写真の腕をホメて下さい(笑)。 文章のほうは、もっと簡潔にまとめたいのですけどね。 冗長で、読む人が飽きてしまう気がしてなりません。 才能から言えば、ライズジュニアの画才のほうがナンボか優れてますよ。 もっと早くblog覗こうと思っていたのですが1週間過ぎてしまいました。 あの川らしいイワナようやく拝見出来ました(自分でも釣りたかったなぁ)! ↑↑のCommentで”写真の腕を”っとありますが私は1枚目の写真のアングルが好きですね。 今シーズン後何回釣行出来るか解りませんがStandyさん、のような写真が撮れる様に頑張って来よ・・・! 私も好きですよ、1枚目の写真。
なんか、ナチュラルな感じがいいですよね。 今回は、もう少し小さなサイズのイワナが結構釣れましたから、もう少し経てば、アベレージサイズもあがり、尺まじりになるような気がしますよ。 私の腕でそれが釣れるか釣れないかは別にして・・・ですけど(笑)。
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