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公私ともに忙しい日が続き、なかなか釣りを楽しむ状況ではなかった。
そんな中でも釣りの周辺でうごめいていた自分がいた訳で、そのひとつが釣り用のデジカメ更新。iPhoneを使うようになって、その本体で写真を閲覧したり、MacのiPhotoで写真を見るときに、撮影地という括りで写真を表示させると、地図上の写真を撮った場所にピンが現れて、そのピンをクリックすることでその場所で撮った写真を閲覧することが出来る。いつ何処でどんな魚を釣ったのか・・・それが地図上でわかるなんて楽しいじゃないか。ということから始まったカメラ選びとその周りで起きたドタバタはこちらに詳しいが、こういったことは上手くいかなくても楽しい。 うごめきのもう一つは、タイイング環境。老眼なにするものぞ・・・と老眼鏡を鼻眼鏡としてタイイングに臨んできたけど、ジョーに固定されたフライと眼玉との距離が固定焦点化される老眼鏡は、おのずとタイイングの姿勢も固定化されがち。同じ姿勢で5本も巻くと肩は凝るし背中はパンパン。とてもタイイングを楽しむという境地には至らない、どころか罰ゲーム。 そこでホームセンターでリング状の蛍光灯の中央部がルーペになった器具を購入。デスクに固定しアームで支持するタイプなので、任意の場所で使えるのがイイ。タイイングの姿勢も限定されないし、なにより明るいので快適なタイイングが出来るわけだ。初使用の翌日、再びホームセンターに向け走り、予備の専用蛍光灯を追加購入したくらい気に入った。 ![]() そして忙しい合間を縫って釣行の日がやってきた。 新兵器のルーペ付き蛍光灯を駆使し作成したフライと写真データにバッチリとジオタグを付帯させる事の出来る(はずの)デジカメを携えての釣行である。 同行のgaryさんが下見を済ませたポイントにつながる林道を上っていくと倒木が道をふさぐ。運転の沢好坊さんを車内に残しgaryさんとふたりで倒木をへし折り持ち上げ崖下に放り投げる。「どんなもんだ!」とばかりに車に戻ると車の周りは虫だらけ。「こりゃイワナも育つワ」などと軽口をたたき車内に戻ると沢好坊さんが「これ、オロロです」と。車内に飛び込み沢好坊さんに撲殺された死骸を見れば確かにアブだ。ゲッ!とばかりに外を見れば音を立てて窓に激突してくるオロロの集団に取り囲まれているじゃないか。取りあえず撤退し別の川に向かうものの、車を止めるなり黒いカタマリに襲われる。もうとても釣りどころじゃないということで、もう少し標高の高い場所に移動し、釣りをすることにした。 ![]() 私はといえば、トロトロの水面を割って出てくる魚達に翻弄され、ドライ>ニンフ>ミッジそれぞれ数種類、挙げ句の果てにソフトハックルと繰り出すも惨敗。 予定ではブログを読んで下さる皆様に大サービスで「尺イワナの写真と、釣った場所のジオタグ入り地図」をアップロードする筈だったのに・・・、デジカメに翻弄され、魚にナメられ、魚の写真すらないエントリーとなってしまった。 今回はオロロ、デジカメ、すれっからしの魚、座骨神経痛、真夏の暑さと闘うものが多すぎて、せめてすれっからしの魚だけを相手にしたいものだよぉ。 番外編
諸般の事情から仕事が忙しくなる6月以降。多分一日を通してフリーでいられるのは今日だけかも知れない。しかしなぜだか釣行へのテンションが上がらず、いつものように起きて、いつものようにワンコの散歩。心の中では釣りに行こうか、それとものんびり温泉にでも行こうかと逡巡し、おそらくこのままなら釣りに行くことはないだろうな・・・という心模様で朝食のテーブルにつき地元スポーツ新聞をながめる。昨夜の日本代表サッカーの記事を斜め読みし、紙面をめくっていくと美しいタナビラ(アマゴ)の写真が目に飛び込んできた。それは長野県の木曽にある開田高原の釣り情報の記事だった。これが釣行へのトリガーとなったことは言うまでもない。そうでなければこうしてブログを書いているはずもないのだから。「ポチッ」とスイッチが入ってから恐らく15分後には「行ってきま〜す」と家を出たはずだ。
家を出て、木曽へと車を進める。しかしハッキリとした目的地がある訳ではなく、取りあえずは開田高原に向かうつもりだった。あの写真のようなタナビラを釣るのだ・・・と。 木曽では昔からアマゴのことをタナビラと呼ぶ。語源は掌(てのひら)から来ているという節が有力なようで掌平魚とも記すらしい。要は掌のように体高があるということらしいが、私自身がタナビラから受けるイメージは「美しい」だ。いろんな場所でアマゴを釣るが、美しさでは木曽のタナビラに勝るものは無いとすら思っている。 車を進めるうち、木曽のタナビラの中でも特に美しいタナビラが釣れる渓が思い浮かんだ。その渓はホームリバーといっても良いくらい通った場所。木曽川の支流の支流で、今年はまだ支流部にしか入渓していない。勿論偵察は済ませてあるので、そろそろタナビラが顔を出してきてもおかしくない感触は得ている。 現地に着くと林道のゲート前にはすでに先行者の車が二台止まっており、先行者の存在を示唆していた。もちろんこれも織り込み済みなので、少し下流部から入渓し、ゆっくりと釣り上がることにする。この渓のタナビラは色白で、言ってみれば美白タナビラだ。その姿を思い浮かべつつロッドを振りラインを運ぶ。 すると水深のあまりない緩やかな流れの瀬尻で、#16ブラックパラシュートを追いかけるような形で煌めきが水面を割った。数日前の釣行でバラシの連発で自己嫌悪気味だったので、魚の生命感を楽しみながらゆっくり寄せることはせず迅速にネットイン。 ![]() ネットの中で踊るのは、色白ではあるがイワナ。幼さの残る少しばかりトボケた顔立ちで愛嬌たっぷりで憎めないやつだ。 釣り上がっていくとわずかに水量が多いが、随所にポイントが現れる。まだ強い流れの中から姿を見せてくれる時期ではないので、緩やかな流れを中心にフライを流していく。あきらかにタナビラ狙いの流し方をするが反応がない。そこでイワナ狙いのポイントを狙うと反応がある。ところが、というかやはりというか、釣れてくるのはイワナだ。そこで、反転流や止水と見まごうような緩い流れを流していくと、水中から吸い込むような捕食動作でフライを咥える魚が来た。 ![]() 取り込みにも成功し、ネットに横たわる魚を確認。間違いなく色白なタナビラだ。色白というより美白。透き通るような背鰭も尾鰭も美しい。欲を言えばもう少しサイズが大きければ完璧だ。 サイズアップを狙って魚止めの滝まで釣り上がり、カウントアップは成るもののサイズアップは成らず。
数日前の雨の日、友人達が連れ立って釣りに出かけた。最初それを聞いたときには「ウソでしょ〜」と取りあわなかったほどの傘マークひとつだけの天気予報。しかし「爆釣だった・・・」という釣果報告を聞いた直後には、不確定だった釣行目的地がほぼ決定。前日には同行者の沢好坊さんと出発時間などについて打ち合わせ。午前5時のピックアップをお願いして釣行準備にとりかかるが、爆釣の文字が頭の周りを飛び交っていることが自覚でき、ついついニヤケてしまう。釣り人は「爆釣」とか「イレグイ」とか「大物」なんて言葉にからきし弱いのだ。
余談ではあるけれども、自分の車のナンバープレートを「1091」・・・イレグイにしている人も居るほどだよね、Sサン(笑)。 そんな訳で、爆釣への旅は3時間チョイの小旅行。 土曜日ということもあり、そこそこの人出を懸念したが、道中の高速道路の混みようは意外なほど。休日の高速道路料金割引が適用されなくなるのを間近に控えた人たちが、早朝から出発した結果のようだ。 目的の川は、かなりの山奥と言っていい場所にあり、釣り人のキャパシティーはそれほど多くはない。土曜であるので、ある程度の釣人による釣場の重複は避けられないと覚悟していたが、国道から川へのアクセス道路に踏み込んでみると、こちらも意外なほど車の数が多い。他に逃げる川もないロケーションなので、ひとまず現地に向かうことにしてドンドンと標高を稼ぐと、どうやらこの道を利用するのは釣り人だけではないことに気づいた。かなり奥深くの林道に入っても軽四やらセダンやらの釣人ではないと推測される車が多いのだ。どうやら良い釣りのフィールドであるこの場所は、山菜採りのメッカでもあるらしい。話を聞けば、ハイシーズンは過ぎたもののまだまだ山菜は豊富であるという。 過去この川で釣り上げたイワナのアベレージサイズは25cm程度だろうか。個人的な好みでいえば、魚のプロポーションや模様がいちばん綺麗で均整の取れたサイズだと思う。そのサイズが爆釣であるなら、フォトジェニックなロッドを使おうと考え、バンブーロッドをケースから取り出して準備を始める。リールをセットしラインをガイドに通す段になって違和感。なんと最終のスネークガイドが綺麗さっぱり無くなっているではないか。半泣きでロッド交換し入渓。雨で軽い増水が見られるが、まだ「爆釣」の文字は頭の上にいる。イメージでは一投目から激しいアタック・・・のはずが、水面は割れない。いぜん尺イワナを釣り上げたポイントも何事もなくフライは流れる。「あのときは2匹のイワナが同時にフライに飛びかかってきたのに」とそのポイントに固執していると、少し上流で沢好坊サンがかがんでる。「お先に・・・」満面の笑顔で告げられればなにが起きたのかは明確だ。 まあ「爆釣」の川なので焦ることもないさと釣りを続けるが、なかなか魚の顔を見ることが出来ない。するとイカにもというポイントに差し掛かる。俗に言う「ここを流しても反応がなければ魚がいないノダ」と言い訳をする場所だ。水面を眺めつつティペットの結束の確認、フライのドレッシングをしていると、澄み切った水面でライズだ。「イタダキ!」てな気分である。一投目からフィーディングレーンに乗ったブラックパラシュートが消える、快感。少し小振りではあるが水中を右に左に激しく動く銀色の矢がさらに快感をあおる。手元まで残り5ヤードネットに手を伸ばそうかと思った瞬間、矢は小刻みな振動の陰影を残し岩の割れ目に消えた。これがこの日のバラシ連発の序章であることには気づいていない、この時には。 ![]() この場所では、底石の間から飛び出たイワナ、対岸の岩のエグレから浮き上がってきたイワナ、ことごとくフッキングするものの、ネットに収めることが出来ない。ところが魚の反応があるものだから最終的に7Xティペットに#20のフライまでサイズダウンして2匹のイワナを手中にしたが、その倍以上のバラシで未熟さを痛感した上に、今までのアベレージサイズにはほど遠いサイズが達成感を損なう。 頭の上を飛び交っていた「爆釣」の文字は、知らぬ間に水面に落ち下流の方向へ流されてしまったところで午前の部終了。 午後からは、取水堰堤から上流部を攻めることにする。取水堰堤より上流部は上下流間の標高差が少なく、いわゆる緩やかな流れで、エサ釣りの釣法でのポイントがほとんどないことから、魚が抜かれる数が少ないと考えられるため、期待大だ。一昔前は延々と続く足首の水深の流れを尺イワナが背鰭を出して泳いでいた・・・と言われる川。今回は雨後であるので足首の水深は膝下まで持ち上がっていたが、凹凸のない流れは軽い増水によってポイントを消し去ったように見える。そこで、倒木や大きめの底石に注視し、その下流を流す作戦をとってみた。流すといっても本当に流れに乗せてしまうとフライはF1カーのように目の前を行き過ぎるので、流れが複合し緩やかになった場所にフライを置くようにした。文字にすれば簡単そうでも実際に満足できるキャストは1/10程度。オマケに張り出した枝葉の下を狙うことによるライントラブルでストレスは貯まるのだが、狙ったポイントにフライを留めることが出来たなら、魚が顔を出す確率はかなり高い。しかし、その後のバラシとも闘わなければならないのが未熟さ故なのだが、フッキングした魚を下流に走らせてやればバラシが激減することに気づいた。 「もっと早く気づけよ」と自分を叱咤する頃には、膝下といえど流れの中で踏ん張ってきた下半身がだるくなってきた。わずかに残った岸の部分を歩くことがこれほど楽と言うことを再確認。 脱渓点と見定めた場所が確認できる頃には5匹ほど釣り上げる事が出来ていたが、いずれも20cm前後のサイズで、いまひとつ物足りなさを感じていた。そんな時に左岸ギリギリに突き出た岩とそのすぐ下流に沈み岩という好ポイントを発見。突き出た岩で流れが分断され緩やかになったところで沈み岩にぶつかり上向きの波を生じている。さらに沈み岩の下流側はエグレている。目標の流れとは違う方向の流れに乗ったり、沈み岩の上をうまくスルーできなかったりで何投目かにやっと狙い通りにフライを流せた。 ![]() ランディングネットの長径にわずかに及ばないサイズではあるが、今回いちばんのサイズをゲット。 写真撮影を済ませ、リリースするがイワナは逃げない。そこでもう一枚。 ![]() 見事な保護色。 「爆釣」の川で小さな魚ばかり「爆小」と言うとゼイタクだろうか。
例年、ゴールデンウイークを迎えるころ、高原は澄み切った空気に包まれ、新緑が眩しく、桜が花を結ぶ。
そんな高原を流れる渓流でのフライフィッシングは、何物にも代え難く、心が解放される。 今年もそんな場面を頭に思い浮かべ、スケジュールを組んでみた。 同行者が沢好坊さんなので、天気予報のチェックは特に念入りに、何日かある候補日の中から「この日は絶対に晴れる」という確信を持つことの出来る日を選んだ。 平野部でも山間部でもかなりまとまった雨があった三日後のエックスデー、朝起きると少し肌寒いが、空は晴れ渡り絶好の釣り日和。沢好坊さんの車に乗り込み窓外を見ると、民家の庭に設えられた藤棚の藤が、満開で藤紫が目に心地よい。春、藤紫を愛でることが出来る季節が訪れたとき、それは山間に流れる渓流では魚達が活動をはじめる時期が訪れたことを意味する。フライフィッシングの中でもドライフライを使った釣りを楽しむ季節になったと言うことだ。 いつもながら、藤紫を見ると心は渓流に飛ぶ。そんな訳で、ワクワクとした思いで出発することになった。 心配は、三日前に降ったまとまった雨。道中の車窓から見える本流はかなりの水量で、ところどころから本流に流れ込む沢の水量もかなりの量だ。しかし、確信を持って決定したこの日の天気はジンクスを破るものであるという思いは微動だにしない。 車の中で、目的地を絞り込み現地に近づくと、道路に設置してある気温表示が低い。7℃とか8℃と一桁の気温で、想定内下限と言ったところだろうか。とりあえず防寒の準備はしてあるので、少しくらいの寒さは大丈夫だ。 問題の水量は、道路脇を流れる川が支流となっても相変わらずだ。ドライフライの釣りをするならば、そのフライを流す、あるいは置き留めるポイントが消されるくらいの水量と強い流れ。川に入って遡行するには危険が伴うかも知れない。実際、餌釣師が歩道から下に流れる川に向けて竿を出している場面に出くわしたが、その態度は投げやりだ。まあ、当然と言えば当然で、とても釣れるようには見えないし、竿を出している本人も釣れるとは思っていないだろう。 ![]() 最終的に目的とした川の周辺で様子を見る。思い浮かべていた高原のシチュエーションとの違いに少しばかり愕然としながら周りを見渡す。ふと横にある枯れ木に目をやると、木肌が桜のそれであることに気づく。よく見れば拳を力一杯握ったような固く閉じた蕾がいくつもある。その遙か向こうに見える霊峰の山頂から広がる雪の白も、初春のそれではなく、冬の景色。 入渓する川に着き、車止めのゲートから釣りを開始。水温は6.8℃。ドライフライで魚の注意を引きつけること出来る水温ではないと判断して、ヘアズイアーニンフを結ぶ。もっともドライフライを流しても、文字通り「あっ」というまに流れてしまうし、フライを留めるポイントもない。 かなり釣り上がっても、予想通り反応は皆無。それでも出発の時に見た藤紫を思い浮かべ、自身を叱咤し、心がくじけないように言い聞かせ続けたが、状況に変化無く時計を見れば正午を大幅に回っている。時間を決めて釣りをしていた訳ではないが、沢好坊さんとは阿吽の呼吸でお互いが見切りをつける時間というのが判っている。その時間から見れば、今日の私の釣りはかなりの長時間のはず。林道を歩き続けて車に戻ると沢好坊さんは車で運転席の背を倒し休憩中だ。 時間が昼を過ぎていたので、少し川から離れ暖かいラーメンを食べるために店に入り、一息つく。そして高原から少し離れた川に向かおうと店を出ると・・・、雨。 信じられない。 確かに曇り空で、少しばかり雨の気配もなくはなかったが、確信的なあの「晴れマーク」は何処に行ったのだ。 それでも「これは通り雨だ」とお互いを納得させるように次なる川に向かう。ところがフロントガラスを叩く雨粒が音を立てるほどになってきて、止む気配すら見せないぞとばかりに大きな黒雲が頭上を覆い尽くす。 こうなったら向かう先は決まったようなもんだ。 ![]() 雨が強いのでバス停の軒先を寸借しウェーダーを脱ぎせせらぎの四季に向け撤収だ。
年券を買ったものの、轟音を立てて流れる濁流を為す術なく眺めるだけだった10日前。その時に買った年券というのが長野県にある木曽川漁業協同組合のもの。ご承知のように木曽川は長野県木曽郡木祖村の鉢盛山を水源とし、いくつもの支流を集め、岐阜県、愛知県を経て伊勢湾に流れ込む総延長229kmの河川だ。数多くの宿場町を繋ぐ旧中山道に沿って流れる長野県下の木曽川は、西に霊峰御岳、東に木曽駒ヶ岳を主峰とする中央アルプスに挟まれた谷間を流れる形となっている。
木曽川漁業協同組合ホームページの渓流マップを見ればよく判るが、その管理する範囲は途方もなく広大で、フィッシングのフィールドとなる本支流は数限りないと言っても言い過ぎではないだろう。これだけの支流があると、その環境も様々で、少しの降雨で濁流となる川もあれば、岩盤に大岩を配した渓相でかなりの降雨でも濁りの入らない川もある。支流の水源が西の御嶽と東の中央アルプスとでもかなりの様相の違いを見せる。雨雲の位置によって支流の水量もかなりの違いが見られる事も多い。 今回の釣行では、呆けたように濁流を眺めるだけだった流れに入って、魚を釣り上げる事を目的としたが、その前に中央アルプスを水源とした流れにも足を踏み入れてみた。 ![]() 花崗岩質のその川は、透明度が高く清冽な流れの川で、私が勝手に木曽美人と称しているタナビラ(アマゴ)が釣れる流れだ。今日は水量が多く、わずかに白濁し雪代の影響がかなり出ていて、水温も8℃前後と低めだったため、釣り上がることなくリベンジの川へ向かった。 現地に着くと、濁流を眺めた橋から見る渓は、あっけにとられるほど水位が低く、それはそれで困難な釣りを連想させるくらいだった。入渓ポイントを選ぶため車を走らせていると、軒先でウェーダーを干している地元の釣り人の姿があったので、図々しくも状況を聞いてみた。その結果、今年は冬が寒くまだ活性が上がってきていないとのこと。「例年の解禁直後の様相だから1ヶ月遅れかなぁ」という情報を貰うことが出来た。 ライズも勿論のことながらハッチも見られなかったが、高低差のあまりない緩やかな渓相の川なので、俗に言う大場所という大きな落ち込みや、淵もほとんどないためニンフで底を探るということなしに、ドライフライのみで釣ることにした。 本流との合流点から釣り上がり、ひとつ目の堰堤までは、魚の気配は皆無。フライにアタックする魚もフライの様子を見に来る魚も確認できず。流れに足を踏み入れても走る魚の姿もない。堰堤を巻いて再び釣り上がるも、状況に変化はなく、ふたつ目の堰堤に。そこには魚の匂いが・・・。 水量が少ないため、堰堤からの水が左右に分流された流れの左側に魚の居着きそうなエグレ岩。その岩の向こう側を目標にフライを投げ入れる。フライラインが岩にのりドラグを回避できる状況だ。おそらく狙った位置にフライは落ちているハズ。と考えていると、岩を回り込むようにこちらに向かってフライが顔を出し流れてきた。その確認ができた瞬間、水底から浮き上がる魚の姿。フィーディングのゆったりとしたフォームを見る限り、警戒心は薄く、本物のエサだと信じている様子で、合わせるタイミングさえ誤らなければ・・・と、瞬時に判断しロッドを立てる。 ![]() ネットインの瞬間は、アマゴと言うことは判断できても「なんだか綺麗じゃない」と思った。まるで管理釣り場のゾーキンマス。しかし撮影のためネットの中に横たえると、銀鱗がパーマークを隠している事が判った。まるで脱皮の最終課程のように見える。「これって、疑似スモルト?」などと考えながらリリースしたが、無知であるが故、疑問符は疑問符のままだ。 その後、比較のためにももう一匹と意気込んだが釣果なく、やはり疑問符のまま。 川の中は、まだ春になりきっていないのだと結論づけてとりあえずロッドオフ。
読みが甘かった。
先週の週末の釣行時に沢好坊くんと「来週も行こう」と相談がまとまった。 まあ、多少は天候の方が気にはなったものの、まさかね・・・と。 ところが、天気予報はジンクスに逆らえない。 金曜の午後からキッチリと天気予報どおり雨が落ちてきた。 沢好坊くんから「延期しましょうか」のメール。 しかしその時になっても、まさかね・・・の私であった。 シトシトと降り続いても降雨量はたいしたことなく、予報通りなら午後から晴れてくるじゃないか・・・と。 頭の中には、多少の増水はあるものの、雨上がりの渓でロッドを振る私がいたのだ。 毎朝の犬の散歩をしているときも、傘など必要ない状態で、天候の回復が早まったな、ニヤリ。という鈍さだったのだ。 ところが沢好坊くんが迎えに来てくれて、荷物を積み込むときにはかなりの本降りに。 まったく雨雲を連れてきたとしか思えないタイミングと雨粒の大きさ。 中央高速道路を走り、国道19号線に入った時には、完全に諦めましたね、釣り。 それでもココロのどこかには、まだ行けるんじゃないかという甘さもあり上松のコンビニで年券購入。今年から写真が必要ということで、写真持参でなかった私は、写真のない人は買えませんと言われたら、あっさりと退散するつもりだったけど「いいっすよ〜」という店員のコトバに5250円のお支払い。 綺麗なピンク色の木曽川漁協の年券は、相談の上、来週ご使用と言うことで(笑)。 ![]() その後は、あっちの川こっちの川と下見と称し、わずかに出来るんじゃないかというスケベゴコロを秘め移動を繰り返していたら少し早いが昼食の時間。 「幻の蕎麦」を食いに行くには丁度いい時間。 帰路はあちこち立ち寄りぃの、買い物しぃので、ずっと国道利用で、地元に戻り、トドメにタコ焼き買って花見をしながらタコ焼きで・・・これって、釣行記?
平野部では桜の花も見ることが出来る陽気になって、事実今日の集合場所である一宮市の光明寺公園駐車場界隈の桜も三分咲き程度ながら花を結んでいた。あと数日もすれば、一帯は桜色に染まり、人々の目を楽しませてくれることだろう。
そんな陽気とともに上昇するのがフライフィッシャーマンの釣りへの意欲だ。日中の最高気温が16℃とか17℃とかになって、天気予報で「日中は春の陽気でしょう」などというアナウンスが聞ける頃になると、街中のドブ川みたいな流れですらのぞき込まずには居られなくなってくる。 その意欲を押さえつけたままでいるというのは、けっこうなストレスを感じるものだ。それを解消するには山中を流れる渓流に立ち、フライを流すしかない。たとえその場所が冬の佇まいのままで春の息吹すら感じられないとしてもだ。 今日は釣友のgaryさん、沢好坊くんを誘って岐阜の渓流にストレス解消に出かけてみた。 高速道路をおりて、市街地で昼食を買い込んだりしているうちは「さすがにスズシイね」などという軽口を交わし、まだ余裕の見られた三人だが、車を山中に進め、路肩にしっかりとした雪のカタマリが見られるようになると、キッチリと寒さが襲ってきた。 車から降り、着替えを済ませ、渓に立てばそこには完全な冬がドッシリと存在しており、寒々とした景色が広がっていた。 ![]() 岸は枯れて朽ちたススキの枝でおおわれ、目を癒してくれるはずの緑の木々も、木の葉を落としたままだ。 覚悟をしてきたものの、冬の装いを解いていない渓流は、水の流れる音が響くばかりで、我々に厳しい試練を与えることを務めとしているかのようだ。 丹念にフライを流すものの、水中からの生命の反応というものを感じさせてはくれないが、唯一春を予感させてくれたものがネコヤナギの木。 ![]() 岸から水面にむけてせり出したネコヤナギの枝には、たくさんの花穂が陽に煌めき、とても美しい。そして、岸のところどころに芽を出すフキノトウの黄緑色も冬から春への季節の移ろいを訴える。 わずかながら、黒い体色のカワゲラが飛び交い、釣りへの期待を盛り上げてくれたが、水中に居るはずの渓魚たちの興味を水面に向けるだけのアピールには至らないようで、ライズは皆無だ。 まずはティペットの先に#16のフェザントテールニンフを結び水中を探る。反応のないまま徐々に釣り上げるウチに冬枯れの木立にフェザントテールニンフを奪われた。少しばかり水中でのアピール度を上げようと、#16のヘアズイヤーニンフに結び替えた後、かなりの深さを持ち、底には魚が居着きそうな石が魅力的に配置されたポイントに立つ。深場を探る事が出来る位置にマーカーをつけ直す。落ち込みの直下にフライを投じ、フライを底に向けた流れに飲み込ませる。これでフライは一旦川底を舐めてから、マーカーの動きに引っ張られるように浮き上がってくるはず。 こちらの意思がフライに伝わったのか、思惑通りのルートをフライがトレースした、と思った刹那マーカーが微妙な震動を拾った。ロッドを立ててフックアップの動作の直後、生命感のなかった水中から春が伝わってきた。 ![]() この時期としては、サイズ、体型共に申し分のないイワナが春の使者。
「忘却とは忘れ去ることなり・・・」
完全に忘れ去っていた。多分バンブーロッドを持ったときに、それに合うリールということで用意したものだと思う。フライフィッシングの用具が投げ込んである箱の片隅に転がっていたリール。"Hrady The Flyweight" ![]() この小さなリール、以前も持っていたはずだけど、確かそれはもっと新しいタイプのそれ。フライフィッシングをはじめた頃、今ほどショップの数もなかったけど、この世界では老舗と言われる店で買い求めた記憶がうっすらだけど、ある。たしかあれは売り払ったはずなので、手元に残っているはずはないし、この発見したリールは持っていたリールより古いタイプの、いわゆるビンテージに属するもの。 最近は夜になるとヒルメシに何を喰ったか忘れるほどなので(笑)、何年も前のことを忘れ去っていても何も驚く事はない。しかし、少し破れたリールケースに入ったこの小さなリールを見つけたのもナニカの縁。今年の竹竿使用時のメインリールにしようと思う。カリカリと小気味よい巻き取り音を静かな渓に鳴り響かせたいものだ。
タイトルの「何処(いずこ)」は、オマエはどこに行くのだ・・・と言う意味。
と言うのも、最近購入したロッド、普通で考えれば限られた場面で使用するロッドなのだ。別にどこで使っても使えないということはないと思うが、少なくともフラットな流れのライズゲームにおいて使いやすいロッドではない。 ![]() そのロッドとは SAGE TXL 363-3という型番のショートロッド。このロッドを使うシチュエーションとしては、高低差のある流れで、落ち込みが連続し、両岸から木の枝が張り出してきて長めのロッドでは取り回しに苦労するような、そんな場面を思い浮かべる。ところが個人的にはそのような場所は大嫌い。ライントラブルの面倒くさいのも嫌いだし、キツイ思いをして川を遡上し、さらに川通しに帰ってくるなんてのはもってのほか。マゾとしか思えない(笑)。 さらに下半身が不自由な(バイ@グラとかシ@リスとかそっち方面でなく)身としては、古傷の膝痛や先年の骨折のあとが痛むのも勘弁して貰いたい。 ところがそんな男が買ったロッドはそんな場面で使うロッド。したがってオマエはどこに行くためにそのような道具を買ったのだ・・・と自身に問いかけている訳だ。 さらに言えば、そのロッドのために使うリールとラインも・・・。 ![]() 何故かと言えば・・・わからない。妙にカネが使いたくなる時ってないだろうか。多分ストレスがたまっているんだと思う。自分自身で「オレ、多大なストレスを背負ってるな」とは感じることは、全くない。けど、そうじゃないと言い訳が出来ないので(笑)。正直に言うと以前モデルチェンジによる「廃盤」ということで格安に買ったラインがあった。それに合いそうなロッドが、こちらもモデルチェンジによる「廃盤」で格安に売っていた。さらにリールも同様。 どうやら、そんなメーカーの戦略にみごとに乗ったとも言えなくはないが、どちらにせよ「廃盤」とか「限定」と言うコトバに滅法弱いことだけは間違いなさそうだ。 さて、何処にでかけようか。
久し振りのタイイングは、エルクヘアカディスでも巻こうと思いデスクに向かう。さすがに久し振りと言いながらも、タイイングの手順は忘れていない。ところが・・・だ、問題のエルクヘアの処理がままならない。思うようなシルエットで完成させることが出来ない。しまいにはスタッカーをデスクにたたきつける音すらを煩わしく感じるほどに落ち込んだので、タイイングのターゲット変更。
こんな時には、小さなフライの方が「ボロ」が出にくいことは経験上判っているので、マジメに老眼鏡を装着して#20のフックをバイスにセットする。私の場合、老眼鏡を装着すると完全な固定焦点状態になるので同じ姿勢をとり続けることになる。もちろんそれだと身体が音を上げるのでひと工程がすむたびに背筋を伸ばして、目の焦点をあわせてから再始動。 そうして出来上がったのが、下の写真のCDCダン。番手からいってコカゲロウパターンだ。 ![]() このパターンと言えば、ここのところ地震が頻発している地域にある超有名河川で時としてとても有効なパターン。ある時合いには、このパターンにしか反応しないことすらあるキラーパターンなのだが、最近の私はこのフライを目視する自信がない、まったくない。 無風で平水ならなんとか・・・と思うけど、あの超有名河川に出かけて強風や吹雪だった記憶はあるものの小さなフライを目視できるような状況だったのは数えるほどなのだ。心眼でフライの位置を確認できるような達人ならいざ知らず、固定焦点のオッサンにはチト辛い。 黄色いフライを巻くのに飽きたので、スレッダーに黒のスレッドを取り付け、小さめのパラシュートパターンを巻く。 ![]() こちらは非常に汎用性の高いパターンで、いつでもどこでもというコンビニパターン。私の場合は使用頻度が高いので弾切れにおちいる率No.1のパターンだ。案の定、今回もボックスを点検してみると小さめのブラックパラシュートは欠品状態で少しストックするために多く巻いておこうとはじめたタイイングだったが、頸から背中にかけて「パンパン」に張ってきたのでタイイング終了。 そんな状態なので、いつの頃からかタイイングが済んだら近場の風呂屋に行って、1時間ほど身体を温め、ソフト整体というマッサージみたいなもんをして貰うことがルーティンとなってしまった。 ひょっとしたら、タイイングはマッサージを受ける口実なのかも・・・と考えるこの頃。
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